判子と印鑑

今の時代に印鑑、判子、印章についてその違いを明確に意識して使う人は余りいないでしょうが、そもそも印章は判子のことを意味しており、印鑑は捺印された印影のことを意味する言葉でした。
しかしこれが現代ではほとんど同じ意味となって使われ、単語が違うというだけで本来の意味を意識する人はほとんどいません。判子も印鑑も印章も同じもので、単にいろいろな呼び方があるのだという意識の人も多いでしょう。

 

まず、くだけたやり取りのときに使われる名称が「判子」になります。宅配便が来たときには、「ここに判子を押してください」と言われて判子を探しますし、回覧板に押すときも判子という表現が使われています。ときには単に「判」と呼んだりすることもあるように、判子は非常に身近に使われている表現です。
これに対して「印鑑」は本来の意味は判子とは異なります。先にも書きましたが、印鑑は捺印をしたときに紙や書類などに残る文字や絵を表しています。つまり「印鑑を押してください」といった使い方は本来の意味からすると根本的に間違っていることになります。ちなみに印鑑と「印影」は同じ意味になります。

 

ただし現代では判子と印鑑の意味の違いを理解して使っている人はほとんどいないのが実情です。そして、平素の会話でほとんど使われなくなったのが「印章」です。本来はこれが判子や印鑑の正しい呼び名になりますが、いまやすっかり古い言葉になってしまいました。しかし格式が求められるような書面などにおいては引き続き使用されています。