印鑑の保管

日常生活の中で印鑑を使うことは頻繁にあり、成人であれば少なくとも1つは印鑑を所持しているものです。しかし印鑑の保管ということを、特に意識している人は余りいないかもしれません。まず印鑑の保管場所について見てみましょう。
「実印」と「銀行印」と「認印」は必ず別の場所に保管する必要がありますし、印鑑だけではなく、登記簿や通帳といった財産につながる重要な書類も印鑑とは別に保管することが必要です。これは保管の考え方における基本中の基本になります。
万が一、盗難などが起きた場合に自分の資産をいっぺんに失うリスクがあるからです。

 
次に、印鑑の材質によっては保管方法によって経年劣化を起こしたり、変質したりするものがあるため保管方法には気を遣いましょう。
印鑑を使った後にはこまめに朱肉をふくように心がけましょう。ティッシュなどでふき取ることでも良いのですが、時々はサラダ油などの植物性オイルでぬぐうとよりキレイにぬぐい取れます。印鑑を使った後にそのまま放置しておくと、朱肉が固まってしまいますが、印鑑の材質によっては朱肉によって印鑑が柔らかくなってしまうものもあるのです。時に目詰まりしてしまうこともありますが、そういったときには使用済みの歯ブラシでやさしく固まってしまった朱肉を取り除きましょう。

 
そして、印鑑は必ずケースに入れて保存します。材質によっては虫がついてしまうものもあるので、高温多湿にならない場所に防虫剤も一緒にして保管すると長く使い続けることができます。また、乾燥に注意が必要な材質もあります。

形見の印鑑

印鑑の使用主が亡くなった場合に、故人が使っていた実印登録された印鑑はどのように処分すべきでしょうか。
実印の定義を確認しておくと、実印とは住民基本台帳に記載されている氏名・氏もしくは名または氏名の一部を組み合わせたもので表したものと法律で定められています。つまり故人の使っていた実印が故人の姓名が彫られた印鑑であった場合、同姓同名の人でなければその印鑑を使用することはできません。

 

姓だけの場合は、実印や銀行印として登録することも可能ですが、その印鑑の過去の経緯が分からないこともあります。そのような印鑑を使用するよりは、自分用に新しく購入したほうがセキュリティー的にも安全ですし、気持ちもよいでしょう。
しかしどうしても形見としてその印鑑を受け継ぎたいという場合には、改刻という方法があります。これはその印鑑の刻印された面部分を彫りなおすもので、印鑑の長さは若干短くなりますが、大切な思い出のある品を大切に使うことができます。

 

また印鑑は開運の意味が込められている場合も多く、縁起を大切にするのであれば白い布や紙などで包み、仏壇や神棚にしまっておくという方法もあります。仏壇や神棚がない場合には、タンスや引き出しにしまっておいても問題はないでしょう。
このように印鑑を形見として大事にすることができます。

シャチハタとは

普段の生活の中で宅急便の受け取りの際などに、「シャチハタどこだっけ?」と言いながら判子を捜す人も多いのではないでしょうか。
朱肉のいらない判子のことを「シャチハタ」と呼んでしまう人も多いものですが、シャチハタはそもそも判子ではなく、製造している会社の名前です。では、なぜ朱肉のいらない判子のことを多くの人がシャチハタと呼ぶようになったのでしょうか。

 

シャチハタを製造しているのはシャチハタ株式会社という、もともとは文房具を製造する会社です。名古屋の会社であるシャチハタ株式会社は、創業者が金のシャチホコの描かれた旗を会社のマークに使ったことから、この名称がつけられました。そして朱肉のいらない判子を開発して販売したところ大ヒットし、その製品の代名詞が会社名であるシャチハタになったのです。

 

しかしこれほど普及したシャチハタですが、役所や銀行への届け印としては使用することができません。なぜかというと、通常の判子は石や木などの素材できていますが、シャチハタはゴムで作られています。そのため経年劣化が想定されるため、契約書などに使用するには不向きと考えられています。
しかし日常の生活にはなんら差し障りはありませんし、宅急便の受け取りなどサインの代わりには問題ありません。

判子と印鑑

今の時代に印鑑、判子、印章についてその違いを明確に意識して使う人は余りいないでしょうが、そもそも印章は判子のことを意味しており、印鑑は捺印された印影のことを意味する言葉でした。
しかしこれが現代ではほとんど同じ意味となって使われ、単語が違うというだけで本来の意味を意識する人はほとんどいません。判子も印鑑も印章も同じもので、単にいろいろな呼び方があるのだという意識の人も多いでしょう。

 

まず、くだけたやり取りのときに使われる名称が「判子」になります。宅配便が来たときには、「ここに判子を押してください」と言われて判子を探しますし、回覧板に押すときも判子という表現が使われています。ときには単に「判」と呼んだりすることもあるように、判子は非常に身近に使われている表現です。
これに対して「印鑑」は本来の意味は判子とは異なります。先にも書きましたが、印鑑は捺印をしたときに紙や書類などに残る文字や絵を表しています。つまり「印鑑を押してください」といった使い方は本来の意味からすると根本的に間違っていることになります。ちなみに印鑑と「印影」は同じ意味になります。

 

ただし現代では判子と印鑑の意味の違いを理解して使っている人はほとんどいないのが実情です。そして、平素の会話でほとんど使われなくなったのが「印章」です。本来はこれが判子や印鑑の正しい呼び名になりますが、いまやすっかり古い言葉になってしまいました。しかし格式が求められるような書面などにおいては引き続き使用されています。